森林ツアー後編~他とない、奥之院の歩き方~

朝のお勤め体験

宿坊のお部屋にて、肌寒く静寂な空気と共に、目覚めました。顔を洗って、まずは朝のお勤めへ。読経を聞きつつ手を合わせる、約30分。
いつもの朝とは違う非日常の中、徐々に頭が冴えてきます。僧侶の講話を聞き、身支度を整えれば、高野山ツアー二日目の幕開けです。

奥の院の歩き方

高野山へ来たからには、欠かせない場所の一つ、奥之院へ。ここは、高野山の信仰の中心であり、お大師さま(弘法大師空海)が御入定されている聖地です。一の橋から御廟まで約2キロメートルの道のりには、おおよそ20万基を超える諸大名の墓石や、祈念碑、慰霊碑の数々が、樹齢400~600年と言われている杉木立の中に立ち並んでいます。

参詣道には、変わった形の杉を多数発見することができます。お気に入りの1樹を見つけて、また会いに来てみるのも、素敵ですね。もちろん、歴代武将や著名人の墓を始め、他にない高野山ならではの信仰空間をみることができます。最後はお大師さまにご挨拶をして、来た道を戻ります。

仏法僧の森を訪ねて

森や木をテーマに、いくつかのツアースポットを紹介してきましたが、最後はいよいよ高野山の森林へ。高野山真言宗 総本山金剛峯寺が所有する山林を施業するのは、高野山寺領森林組合。同組合が1200年の歴史ある森林の造林・育林、及び搬出間伐を実施しています。

今回訪れたのは、「仏法僧の森」と名付けられたエリア。鳥の仏法僧(ブッポウソウ)が生息できる森づくりを目指して施業しています。正確には、“姿の仏法僧”と呼ばれる、ブッポウソウ目ブッポウソウと、“声の仏法僧”と呼ばれる、フクロウ目コノハズクを指します。声のブッポウソウは、昭和30年代までは存在が確認されていますが、高野山道路の開発を機に減少したと言われています。また、姿のブッポウソウは、平成初期までは高野山での生存が確認されています。そのため、奥之院周辺の森林は、再びブッポウソウが帰る森づくりを目指して、針葉樹、広葉樹を健全に育てる施業を続けています。

次はあなたも一緒に

季節によっても違う景色を見られる、高野山の森林。森林づくりと木から巡る、高野山の産地ツアーをご紹介してきましたが、あなたも私たちと共に、高野山の森へ出掛けてみませんか?

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